わたしの三つのつぼみたち


  

わたしの三つのつぼみたち

そうだ なによりも春の朝こそすがすがしい
それには 雲雀のこえこそふさわしい
おまえは ぬくい手で はぎとってくれた
わたしの背なかから ながい孤独の夜を
影ばかりをまさぐつていたわたしの手にも
いま頭を撫でてやる 三歳のむすめがある
紅いはさみをかざしたえびがにをぶらさげて
こがらしのなかを帰ってくる ふたりの息子がある
おお きみたち わたしの三つのつぼみたち
眼にみえる 小さな三つの未来 きみたち
わたしはもう うしろへはふり向けないのだ
きみたちといっしょに ただ前のほうへ
未来のほうへ わたしは眼を向けるばかりだ
きみたちのうえに 春がやってくるように